画像: 2周目でしょうか3周目でしょうか、逃げるロレンソに襲いかかるマルケス。ロレンソは逃げられませんでした

2周目でしょうか3周目でしょうか、逃げるロレンソに襲いかかるマルケス。ロレンソは逃げられませんでした

まさかまさかの展開で、ワールドチャンピオンが決定した2016日本グランプリ。ということは、つまりマルク・マルケスをチャンピオンシップで追っていた、バレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソにミスがあった、ってことになります。

さすがにこういう展開では、レース後にふたりのボックスはシャットアウトされ、僕らがふたりにコメントをもらうことは不可能なので、そこはチームのプレスリリースから。チームのプレスオフィサーも、敗れて落胆しているライダーにコメントを求めるの、地獄なんですよ……。

まずは、チームダイレクター、まぁチームマネジャー(=英語で言うマネジャーは『チーム監督』的な意味がありますから、ここでは日本語的なマネジャーです)のような役割ですね。

画像: マッシモ・メレガリ チームダイレクター

マッシモ・メレガリ チームダイレクター


「このウィークにかけて上手く行っていただけに、残念な終わり方になってしまいました。予選結果を見ても、いいレースができる自信があったんですが、ダメでしたね。ホルヘもバレンティーノも、万全じゃないながらもいい走りをしていました。ホルヘはFP3のものすごいハイサイドでコンディションが万全じゃなかったし、バレンティーノは風邪をひいていましたからね。それなのに、ふたりともレース序盤にはトップを狙っていたし、マルケスをそう簡単には逃がしませんでしたが、残念ながらふたりの転倒で我々のレースは終わってしまいましたね。ひとまず、マルクには、ライダースタイトル獲得、おめでとう!」

マルケスを追いながら、先に転んじゃったロッシは、スタートでちょっと失速しちゃったのを敗因のひとつと見ているようです。ビデオを見返したら、スタートでフロントが2度3度、ポンポンと浮いちゃっていました。そのスキに、マルケスとロレンソは加速していましたからね。そういえば、金曜のFP終わりのスタート練習でも、ロッシがフロントを浮かせちゃったところ、見たもんなぁ。

画像: 7周目に転倒したロッシ。転んだ場所は、マルケスがFP3でスリップダウンを喫したヘアピンでした

7周目に転倒したロッシ。転んだ場所は、マルケスがFP3でスリップダウンを喫したヘアピンでした

「まず最初に、僕は大丈夫、なにもケガはないからね。いい状態でレースに臨んで、いいペースでレースしていただけに残念だけどね。スタートは、マルケスとロレンソに抜かれてしまって、残念ながら最高のものじゃなかった。それからはペースはよかったんだけど、ロレンソを抜くまで数ラップかかったことで、その間にマルケスに逃げられてしまった。そのマルケスに追いつこうと攻めたんだけど、フロントから転んでしまったんだ。大きく膨らんだり、深くバンクしたつもりはないんだけど、フロントからイッたってことは、僕がミスをしたってことなんだろうと思う」

ロッシが転倒した後、マルケスを追わなきゃいけないはずのロレンソも、終盤に転んでしまいました。とはいえ、マルケスに離されていた分、まずは2位でフィニッシュして、ランキングでもロッシを逆転しよいうかな、って考えていたようですね。

画像: ロレンソは20周目に転倒。場所はマルケスにもロッシにも抜かれたV字コーナーでした

ロレンソは20周目に転倒。場所はマルケスにもロッシにも抜かれたV字コーナーでした

「ミスしちゃいました、本当に残念です。タイヤのことも合わせ、マシンが決まり切っていない状態で攻めすぎた感じですね。アラゴンではいいタイヤチョイスができたんだけど、今回は正反対の結果になってしまいました。フロントタイヤにソフトを選んだんだけど、1周目からバイブレーションが出てしまって……。マルケスを追うのは難しかったね、ムリしていました。最終的にはドビツィオーゾが迫って来て、コーナーでもっとプッシュしようと思ったら、フロントタイヤが踏ん張ってくれなくて転んでしまいました。正しいフロントタイヤを選んで優勝争いができると思っていたので、それができなくて残念。ランキングも2位になるチャンスをふいにしてしまいました。マルケスにはおめでとう、と言いたいです。今年はホンダのマシンが、アドバンテージを持っていなかった状態なのに、コンスタントに好成績を残し続けましたからね。チャンピオンに相応しいライダーですよ」

画像: GPは残り3戦、オーストラリア-マレーシア-そしてバレンシアです。このふたりの戦いは続きます

GPは残り3戦、オーストラリア-マレーシア-そしてバレンシアです。このふたりの戦いは続きます

チャンピオン争いが、ランキング争いに変わるだけ

なにはともあれ、これで2016年のチャンピオン争いは決定しました。けれど、こうなると「チャンピオン」マルケスは、ノープレッシャーで思い切ったレースをしていくだろうし、ロッシとロレンソは、ランキング2位をかけての負けられない戦いが続きます。チーム内の争いって言ったって、来シーズンにはロレンソがドゥカティのライダーになるわけだから、ロッシとしては負けるわけにはいかないよね。ロレンソも新チームへの手土産に、ロッシに負けるわけにはいかない。さらに、チームにとっては「チームタイトル」、ヤマハにとっては「コンストラーズタイトル」がかかっていますから、チャンピオン争いとなんら変わらない「ホンダvsヤマハ」のレースが、最終戦まで続きます。

そんなこと言ってると、もう今週末にはオーストラリアGP、その翌週はマレーシアGPです。連戦って、チームにもライダーにもキツいだろうなぁ…。まして3連戦って……が、がんばれGPチーム!

写真/Yamaha

最新のモータースポーツ情報を発信中!

This article is a sponsored article by
''.