この週末は、日本TV系「24時間テレビ ~愛は地球を救う~」も、スーパーGT「鈴鹿1000km耐久」も、スペイン選手権・ポルトガル大会も行われていましたが、世界耐久選手権最終戦 ドイツ・オッシャースレーベン8時間耐久も行なわれていました。ちょうど1か月前に終わった、鈴鹿8時間耐久に続く第4戦が最終戦ってわけです。
鈴鹿までの3レースを終わってのランキングは以下の通り。

画像: 最終戦は35チームが参戦。EWCマシンが19台、SSTマシンが15台という比率でした

最終戦は35チームが参戦。EWCマシンが19台、SSTマシンが15台という比率でした

①Teamエイプリルモトスズキ 68P  ②YART    60P
③SRCカワサキ        60P  ④S.E.R.T.   59P
⑤TSRホンダ         53P  ⑥GMT94    52P

チャンピオンに届くのは6チーム!

ランキングトップのエイプリルモトスズキは、スズキGSX-R1000を使用するプライベートチーム。あんまり日本にはなじみがないチームだ、と思ったら、なんとこのチーム、80年代はじめのスズキフランス耐久チームで走っていた、あのエルブ・モアノーさんが監督を務めていらっしゃいます。耐久好きのファンは記号的にも覚えてますよね、エルブ・モアノー/リカルド・ユービン組だっけ。83年の鈴鹿8耐優勝ライダーです!
2番手のYART=ヤマハ・オーストリア・レーシング・チームはヤマハEWCのトップチーム。鈴鹿8耐では、ブロック・パークスに、全日本のヤマハジュニアチームの野左根/藤田を加えて4位に入りましたよね。MotoMapスズキとの激闘は記憶に新しいです。
3番手のSRCカワサキは、24時間耐久にめっぽう強いチームで、今年も開幕戦ル・マンを制しました。鈴鹿では転んじゃったけどね、マチュー・ラグリブとかファビアン・フォレとか、日本にもおなじみのライダーが走ってますね。
4番手は、耐久常勝チームS.E.R.T.=スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム。2015年チャンピオンチームであり、ご存じスズキの耐久トップチーム。過去このチームで北川圭一さんが2年連続耐久チャンピオンになったし、酒井大作、加賀山就臣もチャンピオンチームの一員になりました。
そして5番手が「日本代表」TSRホンダ。TSRは今シーズン、ル・マン24時間耐久参戦をブチ上げて、サラッと3位表彰台をかっさらってきました。続くポルトガル大会にも参戦し(これは全日本オートポリス大会中止が原因で参戦が可能になったんです)、もちろん鈴鹿にも参戦するから、そうすると最終戦も出てフル参戦、世界チャンピオンを狙う!という流れで最終戦を戦いに行くわけです。日本のチームが世界耐久チャンピオンという、とんでもない夢に向かって進んでるわけですね。
6番手GMT94は、創立年(94年)がチーム名となっている、比較的若いチーム。GMTはギュイット(監督さん)・モーターサイクル・チームほら、カルロス・チェカの弟ダビデが走っているチームで、ドゥカティでMotoGPを走っていたニッコロ・カネパも在籍。この5年、ずっとチャンピオン争いを繰り広げています。2014年にチャンピオン、2015年はランキング2位でした。

画像: 優勝請負人のはずが… スミス、母国GP出られる? 大丈夫? ※アレックス・ローズが代役に決まりました

優勝請負人のはずが… スミス、母国GP出られる? 大丈夫? ※アレックス・ローズが代役に決まりました

この最終戦に向けて、まずチャンピオン獲りに動いたのはYARTでした。なんと、鈴鹿8耐にも来てくれなかったMotoGPライダー、ブラッドリ・スミスをスポット参戦させる、と発表したんです。スミスは昨年の鈴鹿8耐でも優勝した、いわば耐久レースを「知っている」MotoGPライダーですから、いわば優勝請負人。しかし、このスミスがフリー走行で転倒、一時は右足大腿骨骨折、といわれるほどのケガを負って、欠場してしまったんです。のちに大腿骨折はなかったけど、GPの空きの週末に出場したので、次のイギリスGPは大丈夫か、と。しかもスミスはヤマハで走る最後のホームグランプリなんちゃうんか、と。ちなみにYARTはこれで、パークスとマービン・フリッツふたりのライダーで走ることになりましたが、決勝直前にシェルダン・モライスが合流。SRCカワサキのラグリブも直前に登録チームを変更したり、こんなん、できるんですねw
予選は、そのYARTがトップタイム! 鈴鹿8耐はライダー個人のタイプで、予選上位トップ10はスーパーポール方式でグリッドが決まりますが、世界耐久は参加ライダーの合算(平均)タイムでグリッドが決まります。予選2番手はGMT94、3番手にS.E.R.T.、4番手にTSRホンダ、5番手にSRCカワサキと、ほぼチャンピオン争いのチームが上位を争ったわけです。
決勝レースは、現地時間の土曜14時スタート→22時ゴールで、日曜は併催イベントが行なわれます。木曜が予選初日で、土曜がメインレースなんですね。

画像: 開始早々のトップ集団 #50エイプリルモト 、 #1S .E.R.T.、 #11SRCカワサキ 、 #7YART 、 #94GMTが見えます

開始早々のトップ集団 #50エイプリルモト#1S.E.R.T.、#11SRCカワサキ#7YART#94GMTが見えます

開始1時間でSRCが、そしてTSRも…

スタートからホールショットを奪ったのはS.E.R.T.。しかし、すぐに10番グリッドから好スタートを見せたエイプリルモトがトップを奪って、それをGMT94がかわすという目まぐるしい展開。TSRはスタートで大きく出遅れての追い上げの展開で、1時間終了ごろには7番手まで浮上します。エイプリルモトには転倒があって、ポジションを下げてしまいます。
そして、最初の1時間では、わずか10周目にSRCカワサキがスローダウン。エンジントラブルで、そのままリタイヤしてしまいます。これでチャンピオン候補、ひとつ脱落! 2時間目もYART、S.E.R.T.、さらにBMWトップチームのPenz13.com BMWモトラッドが同一周回で、後方にGMT94、ホンダ・エンデュランスがつける展開。
そして60周目ごろ、TSRのマシンに異常が発生。冷却系のトラブルでマシンを30分ほどかけて修復し、再スタートするもののペースが上がらず、そのままリタイヤしてしまいました。これで、チャンピオン狙いチームの脱落は2チームめ。ドイツ、例年になく気温が高かったんだそうです。

画像: 世界耐久フル参戦の渡辺一馬 最終戦は決勝レースを走る前にレースが終わってしまいました…

世界耐久フル参戦の渡辺一馬 最終戦は決勝レースを走る前にレースが終わってしまいました…

画像: 闘将・藤井正和。TSRの2017年は世界耐久フル参戦、このままボルドール24時間耐久のテストへ飛びます!

闘将・藤井正和。TSRの2017年は世界耐久フル参戦、このままボルドール24時間耐久のテストへ飛びます!

「悔しい、情けない。鈴鹿以上に、手から優勝がこぼれ落ちてしまった。最終決戦、ベストの準備をしてきたんだけれど、それがうまく機能しなかった。でも、なにも後悔していないし、いい経験になったよ。このままボルドール24時間に出て、2017年の世界耐久シリーズにフル参戦します。そう思えたのも、今シーズンの経験があったからだね」(TSR 藤井総監督)

画像: #7YARTのブロック ・パークスと#94GMTのダビデ・チェカ この2チームがレース中盤を支配します

#7YARTのブロック・パークスと#94GMTのダビデ・チェカ この2チームがレース中盤を支配します

快調にレースをリードするのはヤマハYZF-R1の2台、YARTとGMT94、その後方にS.E.R.T.がつけて4番手以下を引き離すなか、YARTがやや有利かな、でもS.E.R.T.も逆転チャンピオンになれる位置にいるな、という5時間経過直後、なんとYARTのマシンにトラブルが発生! エンジンのオーバーヒートが原因で、トップ走行中にリタイヤを喫してしまいました。うわぁ、これで3チームめの脱落で、3時間を残しての優勝争い、そしてチャンピオン争いは、GMT94とS.E.R.T.の2チームに絞られることになります。

画像: オーバーヒートに見舞われたYART。冷却水、ばんばん入れてますね。でも修復できず、リタイヤです

オーバーヒートに見舞われたYART。冷却水、ばんばん入れてますね。でも修復できず、リタイヤです

画像: 終盤はS.E.R.T.がトップに浮上。最終的にかわされましたが、2位でもタイトル獲得だと知っていたはず!

終盤はS.E.R.T.がトップに浮上。最終的にかわされましたが、2位でもタイトル獲得だと知っていたはず!

ここからの時間帯は、S.E.R.T.がレースをリードしますが、GMT94もピタリと追走し、ラスト1時間へ。ここで、ついにGMT94がS.E.R.T.を抜き去り、最終的にS.E.R.T.にわずか21秒差でGMT94が逃げ切ったわけです。
そして、気になるのはチャンピオン争いで、ランキング6位で最終戦を迎えたGMT94が35ポイントを加算して87P、そしてS.E.R.T.が29ポイントを加算して88P、なんと1ポイント差でS.E.R.T.が耐久チャンピオンに輝きました! これでS.E.R.T.は15回目の世界耐久タイトル! 現行GSX-R1000のラストイヤーを飾って、いよいよ2017年は(たぶん)ニューマシンで参戦することになります!

画像: 左からアンソニー・デルホール、ドミニク・メリアン監督、バンサン・フィリップ、エティアンヌ・マッソン S.E.R.T.は今シーズン、優勝なしでチャンピオンチームとなりました。S.E.R.T.らしいっ!

左からアンソニー・デルホール、ドミニク・メリアン監督、バンサン・フィリップ、エティアンヌ・マッソン
S.E.R.T.は今シーズン、優勝なしでチャンピオンチームとなりました。S.E.R.T.らしいっ!

すでに何度も触れているように、2017年の世界耐久は、このあと9月中旬のボルドール24時間耐久が開幕戦となって、2017年7月末の鈴鹿8耐が最終戦となる新世紀を迎えます。日本からも、TSRホンダとトリックスターレーシングカワサキがフル参戦を発表し、今まで以上に盛り上がること間違いナシ! さぁてホンダとスズキの新型はいつ出るのかなぁ!

写真/SuzukiRacing http://www.suzuki-racing.com/
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