知るほどにやみつき、究極の鉄馬

果たしてナニ者…⁉ 初めて見る人にとっては多少の驚きと戸惑いを感じるはず。エンジンはハーレーのようだが、スプリンガーフォークにフロントフェンダーさえも付いていない。新車で購入でき、車検にも対応するロードホッパーだ‼

画像: 知るほどにやみつき、究極の鉄馬

こだわりの前後サスを備えつつ、美しいフレームワークを再現

異彩を放つ佇まいは、見る者に強烈なインパクトを与えると同時に、好き嫌いがハッキリと分かれるところかもしれない。特にいままで現代の国産スポーツバイクにしか興味がなかった人は、強烈なインパクトに、その魅力を掴みかねているかもしれない。

しかし、チョット待って欲しい。このオートバイの見どころを知っていただきたい。食わず嫌いだったということもよくある話だからだ。まずリアサスペンションを持たないリジッドフレームのように魅せた、専用開発のドラゴンネックフレームから説明しよう。

ハーレーでは1957年まで、リジッドフレームと呼ばれるリアショックのないフレームを採用しており、このようなリアアクスルに向かってトライアングルの頂点を形づくるフレームワークがチョッパーカスタム界ではオールドスクールともいえる安定した人気を誇っている。

そんなマニア垂涎のスタイルを忠実に再現しつつ、ダンパーをシート下に隠すように装備。ピボットを複数に分離する独自のマルチアームサスペンションは最適なプログレッシブ効果が得られ、限られたホイールトラベルの中で初期作動のスムーズさと、高負荷時のトラクション性能を両立させた。ハイスピードで段差を乗り越えたときも衝撃をしっかり吸収し、ハードな見た目とは裏腹のソフトな乗り心地を手に入れているからロングライドも快適にこなす。

そして搭載される空冷Vツインは、これまで1450㏄の排気量を持つツインカム88にインジェクションを組み合わせた現代的なパワーユニットであったが、これを80年代半ばから製造されたエボリューション1337㏄に今回一新。供給元は絶大な信頼がおけるアメリカのサードパーティ「S&S」で、その新品エンジンに強制開閉式のミクニ製HSRキャブをセットした。

よりロングストロークで、挟角45度Vツインらしい鼓動感が味わえるようになり、ますますムードを高めているのは言うまでもないが、極めつけはフロントフォークだ。
 

リジッドフレーム同様に、ヴィンテージムードに欠かせないのがスプリンガーフォーク。1948年のパンヘッドまで使われていたスタイルを踏襲しつつ、パイプの素材から見直し、現代のバイクの水準で止まる、曲がるといった基本操作が確実にできるよう肉厚などを含め徹底追求。理想的な強度としなりを持たせ、テレスコピックに迫る自然なハンドリングと路面追従性を獲得した。

新旧のテクノロジーを融合させ、至極の1台に仕上がっている。

画像: 5月28日、29日の2日間に渡り、高峰高原・チェリーパークラインで開催されたイベント「浅間ヒルクライム2016」に登場し、豪快な走りを見せたType9 EVO。

5月28日、29日の2日間に渡り、高峰高原・チェリーパークラインで開催されたイベント「浅間ヒルクライム2016」に登場し、豪快な走りを見せたType9 EVO。

画像: こだわりの前後サスを備えつつ、美しいフレームワークを再現
画像: 95.3×101.6㎜のボア×ストロークだったツインカム88時代より、88.9×107.9㎜とロングストロークとなるエボリューションエンジン。定評のあるS&S製だ。

95.3×101.6㎜のボア×ストロークだったツインカム88時代より、88.9×107.9㎜とロングストロークとなるエボリューションエンジン。定評のあるS&S製だ。

画像: ピボットを複数に分離した独自開発の革新的サスペンションシステムで、ハードなスタイルでありながらも快適な乗り心地と、しっかりと走る運動性能を実現した。

ピボットを複数に分離した独自開発の革新的サスペンションシステムで、ハードなスタイルでありながらも快適な乗り心地と、しっかりと走る運動性能を実現した。

RIDING POSITION

シート高が636㎜と極端に低く、ご覧の通り両足ベッタリ。この足着き性の良さと取り回しのしやすさから、小柄な人にも人気が高いと販売店のスタッフは言う。ハンドルは低めなので、上半身は緩やかに前傾。ステップは前寄りだが高い位置にあって近い。

画像: RIDING POSITION
画像: 身長:173cm

身長:173cm

■主要諸元
エンジン形式 OHV2バルブV型2気筒
総排気量 1337㏄
ボア×ストローク 88.9㎜×107.9㎜
最高出力 N.A.
最大トルク N.A.
車両重量 270㎏
シート高 636㎜
燃料供給装置 HSRキャブレター
燃料タンク容量 約10ℓ
変速機形式 5速リターン
ブレーキ(前・後) ディスク・ディスク
タイヤ(前・後) 4.50-18・5.00-16
税込価格 340万2000円

写真/森 浩輔、プロト

 

「ロードホッパー」とは?

2002年に量産車の組み立てを開始して以来、世界各国で現地公的検査機関の認可を取得し、現在では国内で5つのモデルをラインアップ。オーダーメイドしたかのような独創的で完成度の高いチョッパーをビルドアップしながらも、量産基準の信頼性を確保し車両基準にも適合。車検にもスタンダードの状態で対応する。

[問]ロードホッパーお問い合わせ窓口 ☎0120–977–537

 

※この記事はオートバイ2016年8月号より

オートバイ 2016年8月号 [雑誌]

モーターマガジン社 (2016-07-01)

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