GPテクノロジーで研ぎ澄まされた最強スプリンター!

いよいよ上陸を果たす新型YZF-R1。欧州メーカーの最新スーパースポーツに真っ向勝負を挑むべく造り込みを極め、MotoGPマシンのテクノロジーまで導入して仕立て上げたヤマハ渾身の1台だ。果たして、そのパフォーマンスはどれだけスゴいのか? 早速チェックしていこう。

画像: ワインディングを駆けるスプリンターから「闘うスーパースポーツ」へと変貌を遂げた新型R1だが、コーナリングを通じてマシンと対話し、操る悦びを追求するというテーマは同じ。R1らしさのDNAは継承されているのである。

ワインディングを駆けるスプリンターから「闘うスーパースポーツ」へと変貌を遂げた新型R1だが、コーナリングを通じてマシンと対話し、操る悦びを追求するというテーマは同じ。R1らしさのDNAは継承されているのである。

強烈パワーはまさに「本物」! とにかく速い最強SS!

 プレストコーポレーションが輸入する新型のYZF-R1/R1Mはカナダ仕様。パワースペックは未公表だが、200PSのフルパワー仕様に近いと思っていいだろう。レースECUキットを組み込んだ場合出力は同じで、ピーク発生回転数が1000回転低い、1万2500回転あたりで「大台」に到達するらしい。でもレブリミットは同じで1万4000回転ほど。つまり、伸びの領域でのパワーの密度が違うだけ…と、国際試乗会があったオーストラリアのイースタンクリークで聞いた。
 サラッと200PSと書いているが、やはり、このスペックはタダモノじゃない。公式発表が「NA」な以上「あたり」「ほど」という装飾語は付くが、このクラスで1万2000~1万3000回転という高回転域に「メインデッシュ」があるバイクはそう多くない。発表会の席上でターゲットとして名前が挙がったS1000RRくらいだ。
 200PSという数字だけ見れば相当な暴れん坊だが、制御技術も進んでいる。ライバルもそうだが、今やSSの200PSは「紳士のイカヅチ」だ。その力をひけらかしても、キチンと使えなくては戦では勝てない。だからメーカーも、強烈なパワーを自在に使えるよう、あらゆる工夫を施している。
 
 このR1/R1Mは最も進んだパワー制御、ライディングアシスト機構を備えている。6000回転から上のフィーリングはリニアのひと言だ。そう言えば、日本仕様はマフラーがアクラポビッチ製になるが、音まで紳士的で、そのせいか、1万1000回転以上での迫力が少しまろやかに感じる。
 R1Mは自動可変減衰のオーリンズ製電制サスも装備する。試乗会の舞台となった富士スピードウェイは、国際試乗会の開催されたイースタンクリークよりずっと路面のグリップが良く、路面も荒れていない。荒れたコースやアップダウンの激しい過酷なコースなら、電子制御サスの「自動可変」が生き物のように対応しだすのだが、ここではあまり「主張」しない。しなやかな割には減速時のノーズダイブが急激ではなく、フロントが軽くなるほどスピーディな切り返しをしても過度なピッチングも無く、落ち着いている。
 身のこなしは小柄な車格通り、ミドルSS感覚。いやソレより軽いかも、というレベルだ。とにかく、このクラスの中では抜群に身軽で、キレのいいフットワーク、強力な旋回性を発揮する。ただし、これは上級モデルのMだけではなく、STDのR1も同じだ。
 
 オーリンズサスのMも魅力だが、新しいKYB製ショックを前後に装備するSTDのスタビリティもすばらしい。Mで電子制御サスをOFFにすれば、ふつうのオーリンズのサスになるが、KYBのサスはそれと遜色ない作動をする。滑らかで、必要とあらば強減衰をスムーズに発揮する。その作動レベルは、これまでのR1より滑らかで力強い。なので硬くは感じないし、落ち着きも早い。
 ちなみに、現在、JSBで活躍するこの新型R1はこのKYBのスプリングをレース用に換えただけ。それだけ聞けば、この足回りがいかにいい動きをし、ハイレベルな実力を持っているが分かるだろう。
 装備重量でも199kg(STD)と軽いR1だが、高速直進時の安定性はメガスポーツなみ。しかも300km/h付近からでも、そんな安定感をキープしたまま、手応え軽くライン変更ができる。やはり戦うバイクだ。曲がっても、真っ直ぐでも、とにかく速いし、速さを引き出しやすい。きっとSSマニアにはたまらないマシンだろう。新型R1は、最も戦闘力のある「ホンキのバトルアイテム」なのだ。

画像: メカニズムからスタイリングまで、あらゆるところにMotoGPマシン・YZR-M1の思想と技術が注ぎ込まれている新型R1。ボディカラーはSTDがブルー、レッド、ブラックの3色、Mはシルバー1色のみが設定されている。

メカニズムからスタイリングまで、あらゆるところにMotoGPマシン・YZR-M1の思想と技術が注ぎ込まれている新型R1。ボディカラーはSTDがブルー、レッド、ブラックの3色、Mはシルバー1色のみが設定されている。

画像: 高回転化によるパワー獲得を目指した新作ユニットは、フリクションロス低減と軽量化のため、ロッカーアームを介したバルブ駆動を初採用。パワーも歴代最強の200PSだ。

高回転化によるパワー獲得を目指した新作ユニットは、フリクションロス低減と軽量化のため、ロッカーアームを介したバルブ駆動を初採用。パワーも歴代最強の200PSだ。

画像: 日本向けモデルのために専用開発した、アクラポビッチ製のスリップオンマフラーを標準装備。シャープな形状のサイレンサーには、専用品らしくR1のロゴも誇らしげに入る。

日本向けモデルのために専用開発した、アクラポビッチ製のスリップオンマフラーを標準装備。シャープな形状のサイレンサーには、専用品らしくR1のロゴも誇らしげに入る。

画像: ピッチング、ロール、ヨーを検知するジャイロセンサーと加速度を検知するGセンサーを組み合わせた6軸センサーを標準装備。MotoGPマシン、YZR-M1譲りの最先端アイテムだ。

ピッチング、ロール、ヨーを検知するジャイロセンサーと加速度を検知するGセンサーを組み合わせた6軸センサーを標準装備。MotoGPマシン、YZR-M1譲りの最先端アイテムだ。

画像: R1Mには「ERS」と呼ばれるオーリンズ製の電子制御サスを導入。「オートマチック」「マニュアル」モードが用意されている。スタンダードはKYB製の軽量フォークを採用。

R1Mには「ERS」と呼ばれるオーリンズ製の電子制御サスを導入。「オートマチック」「マニュアル」モードが用意されている。スタンダードはKYB製の軽量フォークを採用。

画像: スイングアームはR1、R1Mとも共通だが、仕上げが異なる。ホイールはR1、R1Mともマグネシウムキャストホイールを前後に標準装備する。生産は社内の森町工場が担当する。

スイングアームはR1、R1Mとも共通だが、仕上げが異なる。ホイールはR1、R1Mともマグネシウムキャストホイールを前後に標準装備する。生産は社内の森町工場が担当する。

画像: まるでライトがないかのようなデザインで戦闘的なムードを演出。LEDヘッドライトは小糸製作所の「モノフォーカスヘッドライト」を装着する。Mはカーボンカウルも採用。

まるでライトがないかのようなデザインで戦闘的なムードを演出。LEDヘッドライトは小糸製作所の「モノフォーカスヘッドライト」を装着する。Mはカーボンカウルも採用。

画像: カラー液晶を採用したメーターは「ストリート」「トラック」の2つモードを採用。写真のストリートモードはブレーキの液圧や車体の前後ピッチングなどの情報も表示する。

カラー液晶を採用したメーターは「ストリート」「トラック」の2つモードを採用。写真のストリートモードはブレーキの液圧や車体の前後ピッチングなどの情報も表示する。

画像: 前端を絞り込み、後端をワイドにした、コントロール性に優れたシートを採用。後端の幅はYZR-M1と同寸法で、これは開発にも参加したV・ロッシ選手の意見も反映したもの。

前端を絞り込み、後端をワイドにした、コントロール性に優れたシートを採用。後端の幅はYZR-M1と同寸法で、これは開発にも参加したV・ロッシ選手の意見も反映したもの。

写真:赤松孝、南孝幸

ヤマハ YZF-R1/R1Mの基本情報、スペック
寸法・重量
全長/全幅/全高mm 2055/690/1150
ホイールベースmm 1405
最低地上高mm 130
シート高mm 855(Mは860mm)
キャスター度 24
トレールmm 102
車両重量 kg 199(Mは201kg)
エンジン・性能
種類 水冷4スト並列4気筒
弁形式 DOHC4バルブ
内径×行程mm 79×50.9
総排気量cc 998
圧縮比 13.0
最高出力kW/rpm NA
最大トルクN・m/rpm 112.4(11.5kg-m)/11500
燃料供給方式 電子制御燃料噴射
点火/始動方式 フルトランジスタ/セル
燃料タンク容量L 17
サスペンション
前 テレスコピック
後 スイングアーム
ブレーキ
前 φ330mmダブルディスク
後 φ220mmディスク
タイヤ
前 120/70ZR17
後 190/55ZR17(Mは200/55ZR17)
価格
標準現金価格 237万6000円(R1Mは318万6000円)
問い合わせ先 プレストコーポレーション(03-5419-8231)

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